こうの史代の原作漫画の映画化。
監督は「半落ち」「チルソクの夏」の佐々部清。
広島原爆投下から13年、被爆した心の傷と生き残った罪悪感に苦しむ皆実(麻生久美子)の物語「夕凪の街」と
現代に生きる姪の七波(田中麗奈)が、
原爆症で亡くなった皆実の思いと家族のルーツを見つめおなす物語「桜の国」の二部構成。

大手映画会社には、「地味すぎる」と映画化を断られて、
なかなか公開できなかったと監督が語っていました。
この映画には、たしかに兵隊さんや戦闘機は出てきません。
それなのに、被爆という経験が、体だけでなく心にも傷を残し、
何年にも渡って人々を苦しめるという事実を通して、
かえって戦争の恐ろしさ、おろかさ、無意味さが、じゅうぶん伝わってくる映画でした。
「生きとってくれてありがとう」・・・これは、原爆で生き残ったことに対する罪悪感に苦しむ皆実に対して、
皆実を愛する打越(吉沢悠)が言った言葉です。
生きていたからこそ、僕は君と出会い、愛することができたのだ
というこの言葉に皆実は救われるのです。
地味で静かな映画ですが、平和の尊さと生きていることの喜びを感じさせてくれるよい映画でした。
映画「
夕凪の街 桜の国」のアンチエイジング度は・・・3歳の若返りです。